着物でのお出かけが増えると、万が一の雨天のために雨コートが欲しくなります。
 
手持ちの着物から仕立て直したり、色や柄を自分好みに新品から誂え(あつらえ)たり人それぞれですが、いざ雨コートを作ろうとした時に
 

  • どんな生地がいいの?
  • 丈はどこまで?
  • 形は何がいいの
  • 着物から仕立て直せるの?
  • どこで作るの?

 
など、沢山の疑問がでてきますよね。
 
そして、せっかく作るのなら、既製ではできない自分にピッタリ合った仕立てで、より美しい着姿が作れたら嬉しくないですか?
 
 
着物をすっぽりと隠してしまう雨コートは仕立ての美しさがそのまま着姿に反映します。

着付けの仕方ではなく、どんな仕立てをするかで、美しい着姿になれるかなれないかが大きく分かれるということです。

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どの角度から見ても、スラ~と上品なシルエットに仕立てると着痩せ効果も抜群です。


 
そこで今回は、より美しく着痩せ効果も期待でできる雨コートを作るには、どんな所に注意して作れば良いのかを紹介します。
 
そして、そんな美しい仕立てをしてくれる私が自信を持っておすすめする、天下一品の仕立て屋さんも合わせて紹介します。
 
仕立て屋さんしか知らない、雨コートを作る際にどこにこだわると、きれいな着姿になるのかも教えてくれたので必見です。
 

着物の雨コートの作り方

雨コートを作る時に、まず決めなければいけないのが下の4つです。

  • 雨コートの生地はなにが良い?
  • 雨コートの撥水加工は必要?
  • 雨コートの丈はどこまで?マイサイズの測り方
  • 雨コートの形は何がある?今の流行りは?
  • 雨コートの肩すべりとは何?

 
美しい仕立てで自分が満足できる雨コートにするためにも、これらを考慮して順番に決めていきます。
 

雨コートの生地はなにが良い?

着物の雨コートを作る時にまず考えるのが、生地の種類です。

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雨コートだから雨から着物を守ることが第一条件

と当たり前ですが、美しい着姿は仕立て方でカバーできるので、まずは雨に強い生地を選ぶことが大切です。
 
そして、着物の雨コートを作るための生地選びで、他にも考慮したい点が3つあります。

  • 一年中(盛夏も)使える生地
  • 晴れの日は、塵よけ(ちりよけ)として使える生地
  • どんなシーンでも使える生地

 
 
※ちりよけとは道中のちりやほこりから、着物と帯を守る羽織物のこと、防寒具としても使います。
 
経済的に余裕がある場合は、それぞれの用途に合わせて何枚も作れば良いのですが、なるべくなら1枚でより多くの場面に対応できるものを作りたいです。

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初めの1枚が、これだけの要素が詰まった雨コートならとりあえずはコト足りますもんね。

上記を元に、実際にどこに気をつけてに生地を選べばよいのか、更に深堀りしていきます。

1.雨コートなので、雨を弾いてくれるのは必須条件

着物の雨コートを作る時に重要な条件は、もちろん「ちゃんと雨を弾く」こと。

着物の絹は湿気が大敵で、雨に濡れてしまうと縮(ちぢ)みがおきたりシミが残ってしまいます。
 
そのため、絞りや縮緬(ちりめん)など縮みやすい生地は厳禁です。
 
撚り(より)が少ない平織りの、初めから撥水加工が施してある雨コート専用の生地が良いですね。

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染の仕方によっては色落ちなどを起こして、帯や着物に色移りしてしまうことも。

そういった視点からも、やはり専用生地で雨コートを作っておけば安心ですね。
 
 
他にも雨コートは色の違いで、選び方やお手入れの仕方や変わってくるので、下の記事も読んでおくと色選びの重要性も解るようになります。
 


 
 
そして、雨コートの生地は水に強い大島紬も良いと言われます。
 
しかし、一言で大島紬と言っても袷(10月~5月)から盛夏(7月8月)まで様々あるので、一年中使うのは難しくなります。

2.一年中(盛夏も)使える生地

年中使える雨コートにするなら夏単衣と言われる生地が良いですね。
 
※夏単衣は、単衣と盛夏の両方の時期(4月~10月頃)に使用できる生地のこと。
 
 
従来の雨コートの多くは、京都の西陣で作られる平織りのツルッとした質感の生地に撥水加工がしてある物がほとんどでした。
 

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厚みもしっかりあるので、年中使用する雨コートでは盛夏の暑さが問題点。

しかし近年は、織りの技術も進化して様々な質感の雨コートを目にすることが多くなりました。
 
着物の雨コートおしゃれ
 
日本の真夏は湿気が多く独特の蒸し暑さがありますが、上の様な薄地の雨コートだと盛夏でもサラッと着こなせます。

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最近は呉服店などで雨コートの生地を探せば、一年中使える生地をおすすめてしくれます。


 

大島紬でも夏単衣で仕立てれば、夏の暑さにも十分対応することができます。
 
 
「こんなに透け感のある生地を真冬に羽織っても良いの?」と感じる場合もあると思いますが、雨コートなら使用しても大丈夫です。
 
なぜなら真冬の雨コートは、防寒コートの上から羽織る場合もあり、洋服で言えば毛皮の上からレインコートを着るような感覚です。(少し大げさw)
 
そのため、どの季節にも対応できる雨コートとして薄地が主流になりつつあるので、透け感があるものでも真冬の着用はOKです。
 
とは言え、重ね着をすると動きにくくなってしまうので、

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私は真冬でも雨コートのみで防寒コートも兼ねて使用します。

近年は、ヒートテックという真冬には強い味方の防寒具があるので、なるべく身軽に着こなす工夫はできますからね。

3.晴れの日は、塵よけ(ちりよけ)として使える

せっかく作った雨コートを雨の日しか着ないのは、生地のためにも良くないです。
 
絹でできた雨コートはタンスに置きっぱなしより、程よく使用して生地に風を通して上げることで保管状態も良くなります。

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定期的に風を通して湿気やカビ,虫の害を防ぐ虫干しの代わりですね。

なので晴れの日は、生地の劣化を防ぐためにも塵よけとして使用してあげることをおすすめします。

4.どんなシーンでも使えるように格にも配慮

着物を着る時に必ず気になるのが、格のお話です。
 

※格とは、そのものの値打ちによってできた段階・位・身分・等級などを表すものです。

着物の場合は、着物の「種類」「文様」「紋の数」「帯との組み合わせ」など様々な違いで格が変わってきます。

 
雨コートは基本的に道中でしか着ないので、格は気にしなくても大丈夫です。
 
とは言っても、出先の玄関先でサッと羽織る時に相手に失礼にならない程度の格を選びたい場合は、無地などで暗めの色を選ぶとフォーマル感が増します。
 
 
格に関しては、呉服店や各業界によって同じ状況でも真逆の格を教えられることが多々あります。
 
何が正しい、どこが間違ってるを追求するのではなく、TPOに合わせて自分なりの配慮ができるように歴史背景などを模索したいものです。
 
そうすることで、自分の着姿にも自信が持てるようになるので、格に怯えること無く堂々と着物を楽しめるようになりますよ。

雨コートの撥水加工は必要?おすすめの加工は?

雨コート用として売られている生地は、あらかじめ撥水加工が施してあるものがほとんどなのでプラスで撥水加工をする必要はありません。(念の為お店で確認してください)
 
しかし、専用の生地でない大島紬などを雨コートとして作るのならば、きちんと撥水加工をしてから使用しましょう。
 
着物の撥水加工には、業者によって様々の技法や名前の加工がありますが、代表的なものに「パールトーン加工」というものがあります。
 

パールトーン加工の特長は、繊維一本一本に施されるため通気性をそこなうことなく、着心地はそのままなこと。
 
そのため、風合いや光沢もかわることなく、カビやシミの心配も軽減されます。
 

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実際に触ってみても、パールトーン加工がしてあるのかどうかもわからないです。

更にうれしい特徴は、保管中もカビの発生を防いでくれることです。
 
パールトーンのHPによると自社試験の結果で、カビ発育状態は0であることが証明されたそうです。(もちろん水分(湿度)、温度、養分、酸素などの保管条件は万全に)
 
価格は、取り扱うお店によって違いますが、コートで8,000円前後からできます。

 
雨や泥はねを防いで、お手入れもしやすい雨コートを作るならパールトーン加工は必須ですね
 
ただガード加工したきものは洗い張りがしにくいのと、染め直しが難しい(ムラができる)という難点もあるようです。
 
なので「この先、仕立て直したり色替えするかもしれない」と思う場合は、パールトーンを施すかどうかは十分考慮してください。

雨コートの丈はどこまで?マイサイズの測り方

雨コートは、着物を雨から守るためなので、袖口や裾は着物より長い丈にしないと意味がありません。
 
基本的には

  • 袖口は着物より裄を0.8~1センチ長く仕立てます。
  • 裾は着物より1~2センチ長く仕立てます。

 
と言われていますが、自分の使用しやすい長さで仕立てるのが良いですね。
 
丈の長さを決める時に気をつけたいのは、着物を着た状態で丈を測るということです。

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着物の上から羽織る雨コートは、帯の分だけ丈を取られるからですね。

できあがった雨コートを実際に着てみたら、「着物より丈が短かった」ということにならないためにも、面倒でも着物を着てから丈を測るようにしましょう。

雨コートの形は何がある?今の流行りは?

雨コートの形は、まず大きく分けて下の二種類があります。

1.ワンピースのように1枚で羽織る形
2.上着と裾よけの上下2枚で着る二部式

 

■ワンピース型(一部式)の雨コート ■二部式コート

 
この2種類に加えて下の6つの衿の形でコートの種類が変わってきます。
 
 
着物のコート衿
 

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道中衿などは、着物のコートとしての印象が強いのではないでしょうか?

現代の流行りとして、呉服屋さんですすめられる雨コートの形は断然ワンピース型の道中衿です。

すすめられる理由や、形の違いによるメリット・デメリットは先ほどと同じ下の記事で紹介しています。
 


今どきの使い勝手の良い雨コートを作りたい場合は、参考になると思います。

肩すべりとは何?エルメスが良いの?

肩すべりとは、雨コートなど羽織物の肩に付ける裏地のことです。
 
肩の部分につけることで、着物との滑りをスゥ~と良くして着やすくしたり摩擦を軽減する役割があります。
 
肩すべりは、自分の好みにより、付けたり付けなかったりと様々に着こなします。
 
最近の雨コートは薄地が多く、肩の部分だけ裏地が透けてもかっこ悪いので私は付けていません。

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肩すべりはどちらかというと、おしゃれとして付けてる人が多いですね。

というのは、雨コートは玄関先で脱いだり預けたりすることが多いので、どうしても裏が見えてしまいます。
 
そんな時に、個性的でおしゃれな肩すべりがチラッと見え隠れすると、着物通の印象になりますよね。
 

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肩すべりは着物の生地と相性の良い、エルメスのスカーフで作る着物通の人もいます。

雨コートだけでなく、着物の羽織物の裏地によくエルメスのスカーフが愛用されいる理由は、格好良いだけで無く「ブラタク社」が作る「ブラタクシルク」という糸を使用していということもあるからです。
 
日本からブラジルに渡って成功したブラタク社のブラタクシルクは以前、世界一のシルクを決める大会(国際絹業協会主催)でトップになった絹糸(現在のトップは中国の山東糸)です。

ブラタクシルクの80%ぐらいはエルメスがスカーフを作るために買い上げてるそうです。
 
 
日本でも、高級着物や帯に使われていますが、大変希少なブラタクシルクを使用しているというだけでブランドになる格の高い絹糸なんですね。
 
そんな理由からもブラタクシルクで作っているエルメスのスカーフは、格好良いだけでなく着物とも相性がよいので肩すべりに使われます。
 
このような個性たっぷりのおしゃれな肩すべりを付けて、雨の日にしっとり気分を上げるのも楽しみですね。

着物から雨コートに仕立て直し?おすすめの着物はコレ!

着物の寸法にもよりますが、着物から道行衿や道中衿の雨コートに作り直すことができます。
 
雨のシミや縮みがおきないために、雨に強い生地の上に撥水加工を施すことが必須ですが
 

  • 大島紬
  • 黄八文

 

などの様々な種類の着物が、雨コートとして仕立て直すことができます。
 
中でもおすすめな着物は大島紬です。

思い入れのある着物を雨コートに仕立て直すことで、着物も新たな使い道ができて生き返ることでしょうね。
 
雨コートの生地や丈、形などが決まったら、これらを最大限活かしてくれる仕立て屋さんを探すことも大切です。

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仕立てはどこでやっても同じ!なんて思っていませんか?

自分の体にそっと寄り添い、気になる部分をフワッと包みこんでくれる仕立ては、どの角度から見ても上品で着物上級者の着姿にしてくれます。

着物の雨コートのおすすめ仕立て屋

着物の仕立てをしてくれる場所は、個人から法人まで色々な仕立て屋があり、どこでお願いしたら良いのか悩んでしまいます。
 

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大切な着物だからこそ、大切に扱ってくれる人にお願いしたいです。


過去に仕立てで失敗した経験をしたからこそ、色々探してるうちに布目や生地の質感など、きめ細やかな違いにも妥協を許さない「天下一品」のおすすめ仕立て屋さんを発見しました。
 
 
数多くある仕立て屋さんの中でも、特に私がおすすめなのが「平山留美のきものサロン」和裁士の平山さんです。
 
※ちなみに天下一品とは、仕立てをお願いしているお客様が名付けた呼び名です。

 
平山留美さんは、全国和裁士会に所属している正真正銘の和裁士さんです。
(本来和裁士とは、この全国和裁士会に所属している人の事を指し、それ以外の人が和裁士と名乗ることはできないそうです。)
 

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さらに、国家資格である和裁技能士の1級保持者であり東京マイスターでもあります。


 
国家資格の1級に合格するだけでも難しいのに、極めて優れた技能を持ち、他の技能者の模範と認められる方々に贈呈される東京都優秀技能者(東京マイスター)という凄い方なのです。
 
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お客様に「針を持たせたら天下一品」と言われる理由がわかりますね。


私達ユーザーが仕立てをお願いする際に、このような飛び抜けた技能者と直接やり取りすることは、なかなか難しいと思います。
 
しかし平山さんがご自身でサロンを立ち上げて、仕立てのことや着物のことについて色々発信してくれるおかげで、いちユーザーの私でも発見することができました。
 
 
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着物好きなら、こんな出会いを見過ごすわけにはいきませんよね。

着物の雨コートは、一番上に着るものなのでシルエットがそのまま体型として現れます。
 
逆を言えば、一人ひとりの体型に合った美しいシルエットに仕立てることができたら、気になる体型をカバーして着痩せ効果も期待できるのです。
 
 
そんな美しいシルエットに仕立てるには、全国各地にある着物の種類別の特徴や性質を知り尽くした目利きの仕立て屋さんにお願いするのが一番です。
 
30年のキャリアを持った平山留美のきものサロンでは、どんな着物でもその生地の特徴と着る人の体型に沿った仕立てをしくれます。
 
生地の布目や柄合わせや縫い方、着た時のシルエットなど細部まで手間を惜しまず、着る人毎に仕立て方を工夫してくれます。
 
雨コートの場合は、一度仮縫いをしたのもを着物の上から試着してサイズ確認をしてから仕上げに入るこだわりぶりです。
 
遠く離れていても、写真や動画などを使って確認してくれるので、「ここはもう少し長く」「ここはこうした方が良いね」など相談しながら進めていくことができます。

遠くは、丹後のお客様にも対応したことがあるそうで、どこに居ても安心して依頼できますね。
 
 
雨コートに関しては、数多くの経験から得た和裁士さんならではの仕立て「ヌレネーゼ」も考案。
 
従来の雨コートの内側に1枚別布をあてることで、更に雨風を防げるようにした独自の仕立てです。

手持ちの雨コートや新品誂にも対応してるので、詳しくは平山さんのHPを御覧ください。
 
今回、雨コートの仕立てで特にこだわっている部分を聞いたところ、繰越しと教えてくれました。

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前が上がったり下がったりせず、肩からストンと着れるために繰越しにこだわることが美しい着姿を作る秘訣だそうです。

繰越しにこだわるためには、実際に「着て」「見て」確認しないと作れないのが納得ですね。
 
平山さんのFacebookでは、日々おこなっている仕立ての内容や仕立ての動画などをupしてくれています。
 
仕立てへのこだわりや熱意が、見て取れるので「この人にお願いしたい!」と思える内容です。
 
 
どんな仕立ての方法があるのかや、どんな流れで仕立てが進むのだろう?などためになる投稿も沢山あるので見ているだけでも勉強になります。
 

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これから和裁士になりたい!って方にもおすすめです。


以上が、私がおすすめする仕立て屋さんの紹介でした。
 
平山留美のきものサロンさんについては、まだまだご紹介したい内容が沢山あるので、また別の記事で紹介できたらと思っています。

着物の雨コートの作り方のまとめ

■着物の雨コートの生地は下の7点を意識する。
 

  • 絞りや縮緬(ちりめん)など縮みやすい生地は厳禁です。
  • 雨コート専用の生地が良い
  • 手持ちの着物を仕立て直す場合は撥水加工をする
  • 年中使うには、単衣夏の生地がおすすめ
  • 呉服屋さんに行けばおすすめの生地を出してくれる
  • 雨コートを長持ちさせるためにも、はれの日に塵よけとして使用する
  • 格は気にしなくても大丈夫

 
 

■雨コートの丈は下の3点を意識する。

  • 袖口は着物より裄を0.8~1センチ長く仕立てます。
  • 裾は着物より1~2センチ長く仕立てます。
  • 着物を着た状態で丈を測る。

 
 
■雨コートの流行りはワンピース型の道行衿
 
 
■肩すべりは付けても付けなくても自分の好きな方にする
 
 
■着物から雨コートに仕立て直すことはできる
 
 
■天下一品の仕立て屋さんは「平山留美のきものサロン」
 
 
以上が、着痩せ効果抜群の着物の雨コートを作る方法の紹介でした。
 
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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沢山の着物好きに伝わり、自分の着物スタイルを堂々と自信をもって楽しめる着物仲間が増えますように♡
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