寒くなってくると同時に冬の防寒具として、着物でもコートを着たくなりますよね。

着物のコートも、洋服のダウンコートやダッフルコートといった感じで、形や素材に様々な種類があります。

しかし、いちファッションである着物にも流行り廃りは存在し、時代ごとにおしゃれなコーディネートが違います。
 
 
昭和には昭和の、平成には平成の着こなしがありますが、せっかく着物を着るなら今どきのおしゃれでかわいいコーディネートをしたいですよね。
 
 
そこで今回は、そんな今どきのコーディネートを自分なりに楽しめるために、着物のコートについて紹介したいと思います。
 
 

着物のコートで冬の種類は何がある?

着物のコートは、素材や形によって、温かさがが変わるのは勿論ですが、見た目のコーディネートも大きく変わってきます。

好みや着心地の違いは人それぞれですが、まずはどんなタイプの形のコートがあるのかを紹介します。
 
 
卒業式の母親にふさわしい羽織の種類

着物のコートは主に衿の形の違いで区別され、大まかに下記の種類の形があります。

  • 羽織
  • 道中着
  • 道行コート
  • その他のコート

それぞれの種類別にそのコートの特徴と、使用時のマナーや気を付けたい点などを紹介します。

  • 特徴(その羽織ものの形状や、仕立て方の違いなど)
  • 使用時のマナー(使用時に注意する点や使用方法)

 

①羽織

羽織

特徴 名前の通り着物の上から羽織り、羽織紐(はおりひも)を使い着装する物です。

コートというよりは、洋服でいうカーディガンのような位置づけですが、防寒具としても使用されるので今回はコートの一部として紹介します。

着物の前が全て隠れるタイプのコート類とは違い、前から見ると、帯がみえる形なのでコーディネートのオシャレ感が強い感じをうけます。

袷から夏単衣の薄物、レースやビロードまで、季節に合わせてお好みの素材で仕立てる事が可能です。

使用時のマナー 羽織は茶室以外であれば、室内でも着ていても良い物とされています。

洋服のカーディガンの様な扱いなので、羽織の上から雨コートやその他コートを着ることも可能です。

着方のマナーとして羽織の衿は後ろの部分だけを外側に山折りをして、下に着ている着物の衿元に添わせます。
羽織の衿

座るときは、下の画像のように裾を踏まないように後ろによけて座ります。(椅子の時も同じ)

かつては、黒羽織に一つ紋を略礼装として使う時代もありましたが、現代はそのような使い方をしている人は、あまり見かけませんね。

羽織もの自体に第一礼装や、準礼装などの格もなく(女性の場合)、お洒落や防寒具として使用する人が多いです。

 
 

②道中着

道中着

特徴 「道中衿」と言われる衿のデザインのコート。

着物のような打ち合わせになった衿の形をしています。

袷から夏単衣の薄物、レースやビロードまで、季節に合わせてお好みの素材で仕立てる事が可能です。

平成に入りこの形が多く見られるようになり、現代的な印象のデザインのコートです。

使用時のマナー コートなので外出時に着て、室内では脱ぐものとされています。

脱いだ後に小さく畳んで自身で持ち運べるように、風呂敷や、折りたたみ可能な入れ物を用意しておくと便利です。

③道行きコート

道行きコート

特徴 「道行き衿」と言われるデザインの衿の形をしたコートで、衿あきを四角にして、額縁みたいな形にしたもの。

袷から夏単衣の薄物、レースやビロードまで、季節に合わせてお好みの素材で仕立てる事が可能です。

昭和の時代に多く見られた形なので、着物のコートといったらこちらの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

使用時のマナー コートなので外出時に着て、室内では脱ぐものとされています。

脱いだ後に小さく畳んで自身で持ち運べるように、風呂敷や、折りたたみ可能な入れ物を用意しておくと便利です。

 
 

その他のコート

都衿(みやこえり) 衿あきを四角にするが、四角の角が曲線の物
都衿(みやこえり)

千代田衿 衿合わせが打ち合わせで、衿の線が曲線になった物。

どちらも昭和に流行った衿の形で、最近あまり見かけなくなった形のコートですが、年配の方や昔から着物を楽しんでいる人には根強い人気があります。
 
 
道行コートや都衿のように衿もとがしっかり留まり、はだけてこないタイプの方が好きな人や、着心地の面でも人それぞれ好みがあります。

しかし、おしゃれの面で考えると道行コートや都衿などの、「ザ・昭和」を連想させるようなタイプのコートは時代を感じてしまうのは否めませんね。

最近の着物は都会的でシャープな装いが流行りなので、今どきのおしゃれを楽しみたい人には、道中着がおすすめです。
 
 
又、コートの丈も時代によって下のように流行りが変わってきます。

  • 昭和の初め・・・・長め。
  • 戦後・・・・短め。
  • 現代・・・・長め。

 
丈の短いコート
丈の短いコート
 
 
丈の長いコート
丈の長いコート
 
 
色の違いもありますが、下の写真の方が、今の時代の景観にも合う、今どきの都会的なおしゃれなコートという感じがしますね。
 
 
そして、上の写真の違いからも分かる様に、コートの色や柄などの素材も様々ですので、次はコートの素材について紹介します。
 

着物のコートで冬の素材の種類

着物のコートの素材は基本的に着物と同じ素材で作ることができます。

コートは冬に着るものなので、できるだけ厚めのしっかりした生地の素材が暖かくて良いですね。
 
 
例にあげると下記の様な生地の種類があり、柄も様々あります。
 

  • 天鵞絨(ビロード)
  • 縮緬(ちりめん)などの染め物
  • お召縮緬
  • 大島紬

 
 

天鵞絨(ビロード)でできた着物のコート

天鵞絨とは豊臣秀吉によって天正16年(1588)京都の西陣で初めて生産された織物の一種。
ビロードのコート
 
 

縮緬(ちりめん)などの染め物でできた着物のコート

縮緬とは、主に緯糸に強い撚りをかけて織らたもので、縮緬地に後から柄を染めたすなわち「染め物」と言われるもの。

 
 

お召縮緬でできた着物コート

お召縮緬は縦糸につよい撚りをかけた八丁撚りという糸を使い、緯糸にも一般の縮緬よりも撚りのつよいお召緯という糸を使い織られたもの。

糸を染めてから織りあげる後染めの織物です。

 
 

大島紬でできた着物のコート

鹿児島の主に奄美大島で作られる織物のこと、染めの材料は島でとれる植物染めが多い。

 
 
初めからコート用の生地として作られている反物からコートを仕立てる場合や、着物用の生地として作られてる反物をコートにする場合もあります。
 
 
誰ともかぶりたくない場合や、個性的なコートを作りたい場合は、もったいないですが、訪問着などをコートに仕立てるという方法もあります。
 
 
コートの素材はこれでなければダメと言うものではなくて、自分サイズの丈がまかなえる素材なら、着物用の反物や訪問着などの好きな素材や柄をコートにしても良いということですね。
 
 
それだけ選択肢の多い素材からできるコートは、多くのコーディネートが楽しめ、おしゃれとしての要素が満載です。

冬は一番上に着るのでその人の顔ともなり、コート次第で和装の印象が大きく左右されるコーディネートでは手が抜けない物。

せっかく和装で決めるなら、

「時代遅れ」

にならない、コート選びをしたいですよね。
 
 
そこで、最後は現代的な今の時代の流行りでおしゃれでかわいいコーディネートを紹介します。

現代的なおしゃれでかわいい着物コートのコーディネイト

冬の和装コーディネートの顔となる着物のコートは、その一枚でセンスが問われる手を抜けないのも。

着物を楽しむ人の多くは誰ともかぶらない一点物や、個性的なものを着こなしたいものです。
 
 
こそで今回は、そんな着物通にピッタリな、おしゃれでかわいい着物コートのコーディネートを9点紹介します。

①となみ織物さんの南蛮七宝コート
②伊藤若冲モチーフのコート
③雨コートけん道行コート
④牡丹の花が個性的な道中着
⑤「更紗丸紋」を染めた友禅コート
⑥疋田絞り風の正統派コート
⑦個性的な柄付けの小紋地コート
⑧見えないおしゃれこそが着物通のコート
⑨オリジナル羽裏を自分で染める
 
 

①となみ織物さんの南蛮七宝コート

着物界の老舗織物さん、言わずと知れたとなみ織物さんしか扱うことのできない唐長の南蛮七宝をあしらった道中着コート。

江戸時代から先祖代々唐長に伝わる七宝文様のデザインを先染め(糸からそめる)のお召で作られている贅沢なコートです。

柄を織で表現している、一見してとなみ織物さんの物とわかる着物通にはいつかは欲しい絶品のコートです。


 
 

②伊藤若冲モチーフのコート

上記に同じくとなみ織物さんのコートですが、日本を代表する画家「伊藤若冲」も画を繊細に表現された柄のコートです。

着尺なので着物にもできる反物を贅沢にコートに仕立てたもので、「若冲」と説明しないと分からない世界が、あくまでも自己満足と言われる着物のおしゃれなのでしょうね。


 
 

③雨コートけん道行コート

形は道行コートですが、撥水加工が施されているので雨コートとしても使える万能コートです。

色目も地の着物と合わせて、柄も濃淡の使い方が今どきの市松模様なので、現代風のおしゃれなコーディネートにまとまっていますね。

 
 

④牡丹の花が個性的な道中着

「なんて素敵!」と思わず声に出してしまいそうな個性的なコートです。

肩から袖に柄が繋がっているところから訪問着をコートに仕立てたのが伺えるなんとも贅沢な一品ですね。

絶対に誰ともかぶらない、正に着物通のコーディネートで、こんな素敵なコートを羽織っていたら脱ぎたくなくなってしまうでしょうね。


 
 

⑤「更紗丸紋」を染めた友禅コート

更紗とは、2色または多色を使い、人物・鳥獣・植物など様々な模様を染めたもので、こちらのコートはその更紗を丸紋に収めたかわいいコート。

大きな更紗丸紋に染められた友禅染めは、コート全体の美しいポイントとなりおしとやかな印象を与えてくれますね。


 
 

⑥疋田絞り風の正統派コート

こちらは、疋田絞りに似せられて「風」に作られた柄ですが、このようにコート全体が「絞り」でできたコートもおしゃれですね。

色目が白黒の正統派絞りの柄行きなので、どんな着物にもマッチする使い回しが効く柄のコートとして一枚持っていると便利でしょうね。

 
 

⑦個性的な柄付けの小紋地コート

下に着る着物がどんな色目の着物でも合うようなコートにしたい場合は、下の写真の様なモノトーンの柄行の物を一枚待っていると便利です。

柄自体があまり主張しない小紋の柄行だと、どんな着物にも調和するので、初めてコートを作る場合などにおすすめです。

派手ではないのに、どこか個性的で自己主張ができるワンランク上のおしゃれさんのコーディネートなので、思わず似たような柄を探したくなってしまいますね。

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⑧見えないおしゃれこそが着物通のコート

「着物のコートや羽織のほんとのこだわりは裏にある」

と、言わんばかりのなんとも素敵な羽裏の羽織物。

羽裏とは羽織の裏に付けるものだけと思われがちですが、袷で作られる冬のコートの裏にもこうした柄物の裏地を付けます。

一般的には羽裏専用の物を付けますが、こうして洋服のブランドの大判スカーフなどを羽裏に使う事も着物通の間ではよく聞かれます。
 
 
「米沢角通しお召にベルサーチのシルクを羽裏」はまさしくオリジナルな一着で誰もが憧れる着物コーディネートですね。


 
 

⑨オリジナル羽裏を自分で染める

着物の上級者ともなると、馴染みの染め屋で冬のコートや羽織の裏の羽裏を自分で染める人も見えます。

「自分の着物を自分で染める」

究極のおしゃれのコーディネートですね。


 
 
以上が、冬の着物のコートのコーディネートの紹介でした。

「寒くなってきたし一枚コートでも欲しいな」

と思い始めても、着物は仕立て上がるまでに早くても二週間から一か月ほどかかります。

今どきのおしゃれでかわいいコートを手に入れるためには、早め早めの準備をしておくのが良いですね。