着付け教室は無料や個人レッスンなど、さまざまな形の教室が全国各地にあって初心者からしたらどこが良いのか迷ってしまいますね。
 
そんな時に、口コミで調べてみると料金が無料やワンコインで安くて良いという感想がある一方で、着物を買わされたりと怖い感想もあるのも事実です。
 
着付けを習いたいだけなのに高額の着物を買わされて、せっかく始めた着付け教室を辞めたくなってしまっては本末転倒です。
 
そんなことにならないためにも、着物初心者でも安心して通える着付け教室の選び方を紹介したいと思います。
 
 

着付け教室の上手な選び方

着付け教室に通う目的は、ただただ着物を着れるようになれば良い場合や資格を取っていずれは先生になりたい場合など、人それぞれの目的があると思います。
 
どんな目的であれ、

「この教室自分にあってる!」

「この教室なら通っていける!」

と思う着付け教室を上手に選びたいですよね。
 
 
私はこれまで様々なタイプの着付け教室に通った経験があり、教室ごとに自分のライフスタイルや価値観の違いから出てくるメリットデメリットはありました。
 
 
そんなメリットデメリットを踏まえたうえで、最終的に自分に合った教室を上手に選ぶ方法は、講師である先生と合うか合わないかを基準にすることです。
 
 
近年の着付け教室には下のような様々なタイプの教室がありますが、どのタイプの教室でも結局は担当になる先生の人柄や価値観が自分に合うか合わないかの違いで、そのお教室の良し悪しも変わってきます。
 

  • 無料教室などの「大手着付け教室」
  • 呉服屋さんなど、着物に関わる団体が運営する「有料着付け教室」
  • 個人で運営されている「個人着付け教室」
  • 地元の自治体などが運営する「ボランティア教室」
  • インターネットで学ぶことができる「通信着付教室」

 
 
大手着付け教室や、何人もの生徒を抱えてる着付け教室ではよくあることですが、先生が変わるだけで、その教室が通いやすくなったという人を何人も見てきました。
 
自分の担当の先生が他の着付け教室に転職する時は、生徒もその先生に付いて着付け教室を変えることもよくある話です。
 
個人教室であれ多人数で同時に習う教室であれ、どんなタイプの教室でも結局は「先生対生徒」の関わりです。
 
教室の決まりが絶対という考え方の先生と、生徒の思いに寄り添って考えてくれる先生では通いやすさも変わり教室の印象も変わります。
 
 
最近は通う前に一日体験がある着付け教室がほとんどです。
 
そんな時に教室のシステムや流れを確認すると同時に、先生の考え方や生徒への対応から人柄や価値観が合うか合わないかを見極めるのが良いですね。
 
多くの先生がいる教室では一人の先生だけは判断が難しいので、他にはどんな雰囲気の先生がいるのかや、先生同士の会話や関わり方を見るようにするのがおすすめです。
 
先生同士の会話や関わり方が柔らかで、仲が良さそうで和気あいあいが伝わる教室は、自分がその教室に通うのが楽しみになりますね。
 
 
他にも下にあげた講師の先生の基準で、後の自分の着物ライフの良し悪しが大きく変わります。
 

  • 着付けの知識だけでなく座学がどれだけある先生なのか?
  • 最新の着物の情報をどれだけ持っている先生なのか?
  • 先生の着ている着物のセンスはどう?

 
最初の座学がどれだけあるかについては、着付け教室に通う目的は着付けの知識を習うだけでなく、下にあげるような着物についての座学も同時に習びたい場合がほとんどだからです。

  • 着物の決まりやマナー
  • 着物の種類やコーディネート
  • 着物の歴史や成り立ち
  • 着物のお手入の仕方
  • 着物に関わる全ての知識

 
 
しかし、着物初心者からしたら先生の座学がどのくらいあるのかが分からないので、そんな時は「きもの文化検定」を何級まで持っているかを聞くと分かりやすいです。
 
きもの文化検定とは着物に関する基本となる知識や歴史の普及活動をしている (社)全日本きもの振興会が行う検定で、現代の着物文化の指針とも言える検定です。
 
この検定の最高の一級は、着物に関わる仕事に長年携わっている方(呉服屋の店員や着物の職人さん)でも中々合格することができない知識が必要になります。
 
一級を持っている先生に出会うのは難しくても、検定に挑戦したことがあったり2級を持ってる先生なら着物に関する知識も意識も高い先生なのでおすすめです。
 
 
そして、どの先生にも言える事が知識に鮮度があるかどうかです。
 
着物文化検定1級を持っていて着物に関する基本の知識が豊富で、現代に沿った最新の情報も兼ね備えている先生であれば自分の着物生活がとても楽になります。
 
時代の流れと共に、着物のマナーや決まりなどに対してのとらえ方や着物の種類もどんどん変化をしているので、下のような着物に関しての最新の情報をどれだけ持っているかが大切です。
 

  • 現代の長襦袢には自分で洗濯できる正絹もあるためクリーニングに出す手間がはぶけてお手入れが楽です。
  • 現代の夏着物にはこんな織り方の種類があり快適に過ごせます。
  • 現代は一年中使える帯があるので何枚も揃えなくても楽しめますよ。
  • 現代には現代の着物のマナーも決まりのとらえ方があります。
  • 各地の着物の種類の新作はこのような着物があります。
  • 現代の入卒式の流行りはこんなコーディネートです。
  • この織元さんは今はこんな帯を作ってます。

 
 
上記にあげた情報はほんのひとかけらの情報で、衰退気味と言われている着物業界も様々な方面から常に新しい事や物に進化しています。
 
着付けが自分でできるようになり着物生活を送るうえで、より快適により賢く楽しむためにもどれだけ最新の情報を多く入手している先生に出会うのかが大切です。
 
 
そんな先生を見極めるのに簡単な方法は、先生自身のコーディネートを見たり聞いたりすることです。
 
先生の意識や知識の高さはコーディネートにそのまま反映されているのでわかりやすいです。
 
例えば、アンティーク着物を今どきのおしゃれとして着こなせてるかと、ただただ情報不足の着こなしなのかでは大きな違いです。
 
そして、先生自身がどれだけ多くの産地の着物を持っていて、自身の身体で質感や特徴を体感しているかによっても知識の豊富さは変わってきます。
 
着付けの方法は、下のように着物や帯の種類の違いや産地や織元の違いによる質感や特徴によって変えなければいけないからです。
 
「この産地の着物は滑りやすいから、ここはこのように着付けると良いですね」

「この産地の着物は何年きたらこうなるから、その場合はこのように着付けたら良いですね」

「この織元さんの帯はこんな特徴があるので、このような締め方が良いですね」
 
このような着付けの方法の指導ができる先生がいる教室は、どんな着物でも上手に今どきの着付けと着こなしができるように教えてくれるでしょうね。
 
 
以上のように、先生を基準に着付け教室を決めると、この先の着物生活が良し悪しが変わってくるのが分かりますね。
 
実際に一日体験で着付け教室で先生に合って選ぶのも良いですが、その前にネットなどの口コミなどでその教室を調べることができます。
 
なんでもネットで先に調べることができる便利な時代ですが、実際にいくつかの教室に通ったことのある私が感じた口コミを見る時の注意点を紹介したいと思います。

着付け教室の口コミが良い教室は大丈夫?

ネットで着付け教室の口コミを見てみると、同じ教室であっても良い悪いどちらの口コミがあって迷ってしまいますよね。
 
悪い口コミの場合は素直に

「そーなんだ!ちょっと検討しよう」

と参考になりますが、良い口コミの場合はは果たして信用しても大丈夫なのかということを考えてしまうものです。
 
 
しかし、良い悪いの判断は人それぞれの価値観や状況によって変わってきます。
 
先に紹介したように、同じ教室でも先生の違いによってもその教室の良し悪しも大きく変わり、

「絶対にこうでなければダメ!」

と指導する先生もいれば

「いいのよ、そのぐらい」

と臨機応変に指導してくれる先生もいますし、生徒のとらえ方や価値観の違いによっても同じ先生にも好き嫌いが出てくるでしょう。
 
 
また、いつもは違うのにたまたまその状況だからそのような結果になってしまったということも考えられます。

そのようなことから考えると、口コミは確かに参考にはなりますが、全てではないということを頭に置いておくと良いでしょうね。
 
 
次に着付け教室を選ぶときの基準の一つの料金についての紹介をしたいと思います。

着付け教室が無料や料金が安くできるのはなぜ?

大手の着付け教室の場合は、授業料が無料の所やワンコインで安い所などがありますが、なぜそのような料金で運営していけるのか不思議ですよね。
 
そのような運営の仕方の着付け教室の多くは、着物の販売やレンタル衣装など他の方法で収益をあげる仕組みがあります。
 
例えば、CMなどでおなじみの着付け教室が無料で受けられる「日本和装」は着付け教室に通う生徒や教室の先生に着物の販売することで収益を出しています。
 
ワンコイン500円から受けられる「いち瑠着付け教室」は着付け教室の生徒や全く別の一般客に振袖を主とした着物を販売していますし、結婚式場も運営しているのでそちらから収益をあげられます。
 
着付けの無料教室や安い教室は、着付け教室自体に収益を求めておらず別の方法で収益を出しているので、着付け教室はあくまでもサービスの一環や、収益を上げる方への人集めという位置づけが多いからでしょうね。
 
そうなると、やはり無料や安い着付け教室は着物を無理やり買わされたりと怖いイメージがわきそうですが、次はその辺りの経験を踏まえて紹介したいと思います。
 
 

着付け教室で着物を買わされることはあるの?

着物の販売がある着付け教室は

「着物を買わされることがある」

という口コミなどを目にしていたものの、嫌なら断ればいいから大丈夫と強い思いで着付け教室に通ったことがありました。
 
実際の所、着付け教室に通いだして半月ほどで日本の普通車が新車で買えるくらいの着物を買った(買わされた)経験があります。
 
 
普通に考えたらただの主婦が、そんな大金を一気に使うことなんてありえないしできないと思っていました。
 
そもそも、嫌なら断ればいいし断る自信もあったのにその始末ですが、なぜそのような事態になったかと思い返すと下のような様々な理由がありました。
 

  • 自分の持ってる着物の古さ(ダサさ)を思い知らされた。
  • 目の前に並ぶ今どきの着物に釘付けになった。
  • 自分もこんな着物を着たいと思うようになった。
  • そこに並ぶ着物の金額が妥当、いやかなりお得だと信じ切っていた。
  • お世話になっている先生が進めるのだから間違いないと思った。
  • ここで買わないのも先生に悪いと思った。
  • 沢山の人間に囲まれ抜けられない状況だった。
  • 自分が買わないと他の人も帰れない状況だった。
  • 誰でも通るローンが用意されていた。

 
 
クーリングオフ制度がある時代だったので、キャンセルもできたのですがその後のお教室のことを考えたらキャンセルもできませんでした。

そもそもお教室に通っているときから、自分が持っている着物がどれだけ時代遅れで、それがダサいことなのかと洗脳されていたのでしょうね。

そして、先生方が着ている着物のような今どきの着物を自分も欲しい!という気持ちが勝っていたのでしょうねその時は。
 
その後も着物を学んでいくうちにそ、自分の知識の甘さと、その金額がありえないほど高かったのを知る事になり後悔が増していきました。
 
 
正確に言うと、着物を買わされるのではなく買ってしまうのですが、私の周りにいらっしゃる着物上級者の方々は

「着物初心者の頃は誰でも通る道よ、当たり前の経験だわ」

と涼し気な顔で言われます。
 
 
今の私もまだまだ上級者ではありませんが、初心者でもないのではっきりと言えますが、

「こんな経験当たり前でもなく過ちだったし、私と同じ経験を誰にもしてもらいたくない」

と思います。
 
経験しなければわからないという業界の認識がおかしいこともありますが、無知ほど怖いことはなく着物業界についての知識がない場合はそのような状況にならない教室をおすすめします。
 
 
しかし、そのような着物を買ってしまったので意地でも着物に対しての知識を増やそうと思い始めたのは事実です。
 
今の自分の知識なら同じ着物を同じ条件で半額以下で揃えることができると思います。

この教室に通わなければ、着物の価値を見極めるための知識を付ける努力をしていなかったでしょうね。
 
 
着付け教室で多くの最新の着物が見れるは、自分の着物のコーディネートの幅を広げるための知識を上げるためにはもってこいの状況です。
 
ですが、ある程度の知識を持ってからそのような教室に通い、実際に質感や風合いを手で触り目で見る事が一番よい着物の上達法だと感じます。
 
 
着物の種類や知識、妥当な金額の相場もネットで調べることができる便利な時代ですが、まずは何から調べたら良いかわからない場合は下の2冊の教本を読むことをおすすめします。
 
 

①きもの文化検定公式教本Ⅰ『きものの基本』/一般社団法人 全日本きもの振興会 編/ 講談社 出版

 
着物に関する知識や歴史の普及活動をしている (社)全日本きもの振興会が推薦する一冊です。

現代の着物文化の指針とも言える教本で、着物にはどのような種類があってどのような場面に使われるのかなどの

「これだけは知っておきたい」

という着物の基本を初心者でもわかりやすく写真付きで知ることができます。

本体2,000円+税
 
 

②きもの文化検定公式教本Ⅱ 『きものの たのしみ』/一般社団法人 全日本きもの振興会 編/ 講談社 出版


 
きもの文化検定公式教本Ⅰ『きものの基本』に続き、きもの文化検定の公式教本です。

2018年度の最上級である一級の受講者231人中、合格者はわずかに14人の合格率6.9%という恐ろしく難関のきもの文化検定が教本としている本。

難関検定が教科書としておすすめしている本ですが、難しい内容ではなく、いたってわかりやすく見やすい写真付きで解説してあるので初心者でも読みやすい本です。

本体2,000円+税
 
 
この2冊の教本を元に着物の基本的な知識を付けていくと、何をネットで調べて良いのかもわかってくるので効率的に着物の知識を付けることができて、私のような後悔をしなくて済みますよ。
 
 
以上が、着付け教室の選び方についての紹介でした。
 
 
着物に興味を持った場合に初めの一歩として着付け教室に通うことがほとんどだと思いますが、

「この先生に教わりたい!」

と思える先生がいる教室を探すことが、その後の自分の着物生活の良し悪しを大きく左右ほど大切になってきます。
 
そのために、様々な教室に通うことも決して遠回りではないし、その方が着物業界の仕組みがわかり自分のためになります。
 
どうしても敷居が高くとらえがちな着付け教室ですが、一か所にこだわることなく自分の納得いく教室が見つかるまでフットワーク軽く通ってみると良いですね。