着物の販売会に行ってきました!シリーズの今回は、となみ織物さんです。
 
 
となみ織物さんと言えば、着物好きの愛読書でおなじみの雑誌「きものSaion」で、毎回1ページ目に見開きで掲載される京都・西陣の老舗帯メーカーさんです。

創刊から2018年で37年を迎えるロングセラー雑誌の1ページ目を飾れるとなみ織物さんとはどのようなメーカーさんなのでしょうか。
 
 
となみ織物さん単独では珍しいの展示会の内容や、今回のおすすめ商品を紹介しながら、となみ織物さんの魅力をお伝えします。
 
 

となみ織物さんの展示会の流れ

着物の展示会は様々なスタイルがありますが、今回は着付け教室のイベントでその場で商品の注文ができる販売会スタイルでした。
 
 
大まかな会の進行は下記のような流れです。
 
 

①今日はどんな商品が揃えてあるかの説明。
      ↓
②商品の説明をしてくれる人の紹介。
      ↓
③おすすめ商品の紹介
      ↓
④会場にある商品の観覧
      ↓
⑤気に入った商品の試着
      ↓
⑥値段交渉

 
今回の展示会は

「好きな時間に来て自由にみて下さい」

といったオープンな展示会ではなくて

「〇〇時から始まり、商品紹介もあるので開始10分前には来てください」

という形の展示会だったので、予約していたお客さんが全員揃った所で会は始まりです。
 
 
70帖ほどの畳の会場には外周一面にとなみ織物さんの商品がずらり。
着物の展示会
着物の展示会のほとんどは、意匠の問題で写真撮影が禁止なので、こちらの画像は今回の展示会ではありませんがイメージはこんな感じです。
 
 
会場に入る前にはウエットティッシュが手渡され、商品が汚れないように手を拭くところから始まるぐらい慎重な雰囲気がただよう会でした。
 
 
今回の展示会には参加者が30人ほどに対して、となみ織物さんの関係者と展示会の主催者側の関係者が25人ほど。

一回の時間帯にこれだけの人が居るのはかなり多い方ではないでしょうか。
 
 
そして、会場の真ん中に長さ3メートルほどの布が敷いてあり、その布を囲むように参加者は座ります。
 
この布の上に今回のおすすめ商品の反物を流して、参加者全員が近くで見たり触れたりできるようになっているのですね。
 
着物や帯は、実際に目で見て肌で触れることで、初めて質感や風合いを実感できます。

「その物の本当の良さが分かるように」

という、作り手側のこうした心遣いは消費者からしたらありがたいですね。
 
 
そしてまずは、会場にはどんな商品が展示してあるのかの説明が始まります。
 
 
色々種類の着物や帯が並べられている中、今回はとなみ織物さんの代表作の一つ「南蛮七宝文の商品」と、「一楽」という三年ほど前に立ち上がったブランド商品がメイン商品だそうです。

南蛮七宝文とは丸や星や花にも見える文続きの七宝柄のことで、幸せが四方八方えと続く縁起文です。

柄が続くことから、縁が続く繁栄や成長の意味が込められているといいます。

『ルイ・ヴィトン』のモノグラム(元々は、いくつかの文字や記号を交えたデザインのこと)の元になった文ですね。
となみ織物南蛮七宝
そして、この南蛮七宝文を使えるのは江戸時代から先祖代々この柄を受け継いできた、京都の唐紙の老舗専門店「唐長」だけに許されています。
 
 
唐長とは、1624(寛永元)年創業で2018年現在で394年の歴史がある、「京唐紙(きょうからかみ)」を作り続ける老舗専門店です。

唐紙とは主にふすま紙のことで唐長さんの作品は、御所や、二条城や桂離宮、長崎の異人館グラバー邸など世界文化遺産にも使われています。

芸能界で有名な、みのもんたさんのご自宅にも唐長さんの作品が使われていたり、各界の著名な方々にも多くのファンがみえるそうです。
 
 
エルメスなどの、世界的ブランドともコラボレーションし、唐紙文化を世界中に発信しながら約400年にも続く文の伝承に努めています。

 
 
南蛮七宝文も一楽もとなみ織物さんだけのオリジナル商品で、商品を扱える担当者も決まっていて、南蛮七宝担当はとなみ織物さんの専務で、一楽の担当は岩城常務でした。
 
 
となみ織物さんの2トップのお偉い様が、お二人揃ってこうしたイベントに出席されるのはとても貴重だということで、参加者にも緊張が走ります。
 
 
まず初めは専務が担当する唐長さんの南蛮七宝柄の商品の紹介で、続いて一楽の紹介です。
 
 
お二人から聞けるお話は、文や技法に関する歴史から始まり、図案の作成から織りあげるまでにどのような工程で着物や帯がつくられるかなども聞けました。
 
商品の技法を教えていただけるのは勿論ですが、実際に商品を見ながらこのような説明を聞くことで、となみ織物さんの物作りに対する姿勢や心が伺えたことが、何より貴重な時間だったように思えます。
 
 
一通りのおすすめ商品の紹介が終わったら、各自会場内の商品を見て回る時間になります。
 
 
参加者としては、着物の展示会で一番気を使うのがここからの時間です。
 
 
じっくり、ゆっくり商品を見て回っているのは着物好きに取ったら何より至福の時ですが、見れば見るほど欲しくなるのと同時に、

「強引な販売で帰れなくなったらどうしよう?」

という不安がわいてきます。
 
 
ですが、今回の展示会はさすが伝統ある老舗織元さんだけに、しつこい付きまといや、強引な営業は全くありませんでした。
 
 
こちらのそういった不安が伝わったのだと思いますが、そうした営業方法も消費者の気持ちを一番に考えてくれているとなみ織物さんだからでしょうね。
 
 
今回もお初にお目にかかる新作商品や、一点物の商品が多くそろえてあり、

「今回を逃したらもう出会えないかも」

という商品ばかりでしたが、自分の経済的な理由から後ろ髪を引かれながら展示会を後にしました。
 
 
着物や帯の展示会では、この

「今回を逃したらもう出会えないかも」

という言葉はよく聞く営業トークで、実はいつでも買えるということがよくありますが、となみ織物さんに限っては、本当に今回限りの商品が多いです。

そんな、今回限りのおすすめ商品とはどんな物なのかや、なぜ今回限りなのかの理由を次に紹介したいと思います。

今回の展示会のおすすめ商品は?

今回の展示会のおすすめ商品は、となみ織物さんの専務しか作ることが許されていない唐長の南蛮七宝文と、岩城常務が立ち上げた一楽というブランドの商品です。
 
 
どちらもとなみ織物さんのオリジナル商品で、町の百貨店や呉服屋さんなどでは絶対に見る事のできない貴重な商品です。
 
 
そんな南蛮七宝柄と一楽の特徴や成り立ちなど、今回の展示会で教えていただいた内容を紹介したいと思います。

となみ織物の南蛮七宝文の商品とは?

今回の展示会でまず最初に教えていただいたのは、唯一南蛮七宝柄を扱える唐長さんのお話からでした。
 
 
美術館や博物館ではガラス張りの棚に飾られるほどの価値のある板木のお話から始まり、実際に触らせていただき南蛮七宝文の歴史や唐紙の作り方などを教えていただきました。

板木とは唐紙を刷る時に使う文が彫られた板のことです。
(下の画像が板木です。当日見せていただいた板木は写真撮影NGだったのでネット上にある別の板木です。)
板木
 
 
江戸時代に数千枚あったと言われる板木は、現在650枚しか残っていないそうで、日本で唯一残る唐紙専門店唐長さんが保管しています。
 
 
今回紹介してくれた着物や帯に使われている南蛮七宝文は、この唐長さんが江戸時代から約400年もの時代をかけて守り続けてきた文の一つです。
 
 
そして、この南蛮七宝文の使用が唐長さんから特別に許されているのが、京都・西陣の老舗となみ織物さんだけなのです。
 
 
今回となみ織物さんで見せていただいた南蛮七宝の商品は、西陣御召や帯に加えて、正絹なのに洗える長襦袢です。
 
 
これら全て南蛮七宝文でできていました。

商品の撮影はNGなので、となみ織物さんのインスタグラムをお借りしてどんな商品なのかを紹介します。

下の帯は当日も同じ物が置いてありましたが、南蛮七宝文の中で優雅に舞う蝶が会場内でも特に目を引く個性的な帯でした。


 
 
 
西陣御召の南蛮七宝がインスタグラムで見当たらなかったのですが、夏大島の着物の写真がありました。

となみ織物さんは大島紬にもとても力を入れているので、他にも草木染で作られたオリジナルの大島紬などが会場に並んでいました。


 
 
最後は南蛮七宝の長襦袢です。

当日見せていただいた長襦袢は、正絹なのに洗えて1年中使える生地でできていました。

オールシーズン盛夏も使えて、生地自体はとても薄地なのに一本一本の糸がとても丈夫なので年中着まわしても破れたりしないそうです。

下の写真のように色目の濃い長襦袢にすることで真冬に着てきても違和感がなく、本当に万能長襦袢です。


 
 
そしてこれらのほとんどが限定商品なので、早く買わないとなくなってしまう貴重な商品です。
 
 
数量限定の具体的な数は、商品によって違うので一概には言えません。

着物や帯は人気がある商品の場合は量産して数を増やすのですが、となみ織物さんの南蛮七宝文は人気があるのにもかかわらず、限定品が多いです。
 
 
奥深い意味と歴史のある文であることだけでも着物好きにはたまらないのに、さらに数量限定となると人気が出るのも納得ですね。

他にも、輪宝文の着物や一点物の手刺繍の帯など全部で10種類ほどの商品が次から次へと、会場中央の布の上に流れてきました。

一点一点細かく特徴や技法を教えていもらいながら、実際に触れて風合いや肌触りを体験させていただきました。
 
 
どの商品も歴史と伝統を大切にしながら現代の日本にしっくりとマッチする、となみ織物さんならではの素敵な着物や帯ばかりでした。
 
 
南蛮七宝文の紹介が終わったら、次は比較的新しいブランドの一楽の紹介です。
 
 

となみ織物の一楽の商品とは?

となみ織物が3年ほど前から新しく立ち上げたブランド一楽「いちらく」は着物ユーザーの声からできたブランドだそうです。
 
 
着物好きのユーザーは、自分の着物スタイルに何かしらのこだわりと自信を持ってコーディネートを楽しんでいます。
 
 
そんな中、ふとした場面で自分と全く同じ着物や帯を見つけてしまうと、あまりうれしくないと言う意見が多く寄せられるそうです。
 
 
確かに、こだわりを持って誂えた着物や帯は決して安くはないでしょうし、

「誰かとかぶってしまった」

ともなれば、気持ち的に価値が半減してしまうのも分かります。
 
 
そんな場面をなるべくなくすために作られたブランドが一楽だそうです。
 
 
一楽の名前には、

「一枚の着物を楽しむ」

という意味も込められているそうで、一楽の着物は全てが一点物で誰ともかぶらないを実現したブランドだそうです。
 
 
物づくりに徹底したこだわりを持つとなみ織物さんが作った一点物の着物の数々は、どれも斬新で他にはない「粋」を感じる意匠ばかりでした。
 
 
こちらのブランドも撮影禁止なのでお写真がないのが残念ですが、となみ織物さんのFacebookで少しだけ映っている物を発見しました。
 
 
一楽ブランド

 
 
このように、素敵な着物や帯を知ってしまうと、他にはどんな物があるのだろうか気になりますね。
 
 
そこで、最後にとなみ織物さんの着物や帯が見れる方法を紹介します。
 
 

となみ織物さんのコーディネートが見れるのは?

今回ここまで紹介してきたら、やはり

「もっととなみ織物さんの作品を見てみたい」

と思うのは、着物好きあるあるですよね。
 
 
そこで、となみ織物さんの商品やコーデネイトをオンライン上で見れるところを集めてみました。

まず、初めはとなみ織物さんが新作の着物や帯を紹介しているインスタグラムです。

→となみ織物さんのインスタグラム(https://www.instagram.com/tonamiorimono/)

 
こちらは、となみ織物さんの作品を使ってコーディネートされた写真が沢山あるので、自分の和装スタイルの参考にもなりますし、新作や限定商品などの情報をいち早く見つけることができます。

続いては、となみ織物さんの公式Facebookと、となみ織物さんの5代目の専務が発信しているブログです。

→となみ織物さんの公式Facebook(https://www.facebook.com/tonamiorimono/)
 
 

→となみ織物さんの5代目ブログ(https://www.kyo-tonami.com/godaime2)

 
こちらの2つは、となみ織物さんが日々の活動や、着物や帯の製作の様子などが伺えます。

今回のような、イベントなどの情報もこちらから知ることもできますよ。
 
 
最後は公式ホームページの紹介です。
→となみ織物さんの公式ホームページ(http://www.kyo-tonami.com/)
 
こちらからは、となみ織物さんの歴史や、作品の種類などを知ることができます。

 
 
以上の場所からとなみ織物さんのコーディネートなどの情報を知ることができるので、是非参考にしてみてください。
 
 
今回の展示会は、開始から約2時間くらいいましたが、とても2時間では足りないぐら内容の濃い展示会でした。
 
 
私たち消費者は着物や帯の柄や製法などに惹かれてその物に魅力を感じますが、実際に

「これを買いたい」

と思うのは、その商品を作った人の思いが伝わった時ではないかと思います。
 
 

消費者と作り手さんが会うことが難しいこの業界だからこそ、このような展示会は作った人の思いや苦労が聞けるので、ほんとに価値のある貴重な時間だと感じました。