夏が近づいてくると「小千谷縮」ってよく聞きますよね。

小千谷縮は着物だけでなく、浴衣や長襦袢にまで使われる夏にピッタリの麻織物です。

中には国の重要無形文化財に指定された、とても貴重な小千谷縮もあります。
 
 

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着物好きの間で憧れの織物「いつかは〇〇」の一つ♡

今回は、そんな小千谷縮の特徴や洗濯の仕方などを紹介したいと思います。
 
 

小千谷縮の特徴は?

小千谷縮が夏になると人気がでるのは、主に下記の3つの特徴があるからです。

①シボがあるため肌に張りつかず、さらりとした着心地
②国の重要無形文化財に指定されている
③麻素材のため自宅で洗濯できる

 
 
夏になったら小千谷縮にチャレンジしたいあなたのために、順番に紹介していきますね。

小千谷縮の特徴「シボ」とは?

小千谷縮の特徴「シボ」とは、下の画像にも見える生地の凸凹のことを言います。
 

 
この凸凹が下に着る物との間に空気の層を作ってくれるため、風通しがよくさらりとした着心地になります。
 
 
 
 

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日本の夏は高温多湿だから、サラリと快適に着こなすことが必須です。


 
 
それに小千谷縮は麻でできているため、もともと通気性や吸湿性に優れています。

麻の性質と縮のシボの凸凹が、高温多湿の日本の夏にはもってこいの織物なんです。
 
 
麻の着物には、シボという凹凸がある縮と、細い麻糸で織られたシボの少ない平織りの上布(じょうふ)があります。
 
上布よりも比較的安価な物もある縮は、小千谷縮の他に下記の2種類も人気がありますよ。

新潟県十日町の明石縮(あかしちぢみ)
滋賀県の近江縮(おうみちぢみ)

 
 
そして縮の中でも唯一小千谷縮だけが、越後上布とともに1955年(昭和30年)に国の重要無形文化財に指定されたことも特徴の一つです。
 
今ではめったにお目にかかることができない、国の重要無形文化財に指定された小千谷縮とはどんなものなのか?
 
着物好きなら外せない、その概要を紹介します。

「国の重要無形文化財」の小千谷縮とは

夏の代表的な着物の1つとして小千谷縮があげられるのは、「国の重要無形文化財」の指定を受けているのも理由の一つ。

とは言うものの、すべての小千谷縮が国の重要無形文化財の指定を受けている訳ではありませんよ(^-^;

現在市場に出ている小千谷縮のほとんどが、フィリピンなどから輸入したラミー麻の紡績糸で作られた比較的安価な値段の物です。

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国の重要無形文化財の指定を受けた現物を見れることは、とても貴重な事。

そもそも

「着物の、重要無形文化財とは何ぞや?」

という人は下の記事からどうぞ(^_-)-☆


 
重要無形文化財の話をするととても長くなってしまうので、サラッと紹介すると着物(染織部門)は、現在6種類が指定を受けています。
 
どれも厳しい条件と審査をクリア―しなければ指定されない貴重な着物ですが、小千谷縮についての指定条件は下の5つ。
 

①全て苧麻を手績みした糸を使用する事
②絣模様を付ける際は、手くびりによる事
③いざり機(地機)で織る事
④シボとりをする場合は、湯もみ・足ぶみによる事
⑤晒し(さらし)は雪ざらしによる事

 
 
これらの条件を満たしたものにだけが、重要無形文化財の小千谷縮と言われるものです。

どの条件も

「専門過ぎて良くわからない!]

とおもわれがちですが、下の様子は見たことがあるのではないでしょうか?

小千谷縮の着物の特徴
 
見渡す限りの雪の上に反物を並べている「雪晒し」の光景は、小千谷縮を作るための代表的な工程の一つです。
 
 
他にも小千谷縮の重要無形文化財についての工程の特徴はまだありますが、また別の記事で詳しく紹介していきますね。

そしてどの文化財でも言われることですが、資源や技法の後継者不足のため作ること自体が困難な状況にあります。
 
そのため小千谷縮も指定を受けた物を作るのに3年、1反数百万もする物もあります。

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いつかは欲しいけど、中々手に入れられないのが現実


 
ですが、

「小千谷縮にはこんな貴重な物もある」

ってことだけでも、知っていたいですね。
 
そんな、希少価値の高い小千谷縮は別として、比較的安価で買うことができる物は、自宅でチャチャっと洗濯できるのも特徴の一つです。

小千谷縮は何といっても自宅で洗濯できること

小千谷縮は麻素材のため、絹の着物と違い自宅で洗濯できることも特徴の一つです。

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勿論、一反何百万とする重要無形文化財指定の物は怖くてできませんが^^;

年々暑くなる日本の気候は、5月でも30℃を超える日もあります。

いくら小千谷縮が夏に最適な素材だとしても、ちょっと歩くだけで汗だくです。
 

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夏の着物は一度着たら、できたらその都度洗って保管しておきたいですよね。

そこで次は、小千谷縮の洗濯の仕方を紹介したいと思います。

小千谷縮はどうやって洗濯するの?

夏に着る小千谷縮は自宅で簡単に洗濯をして、いつでも清潔な状態で着ていたいですよね。

そこで、ここでは小千谷縮の洗濯の仕方を紹介します。

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簡単なので、是非実践してみてくださいね。

小千谷縮は洗濯機で回せますが、手洗いをすることで縫い目をきれいな状態のまま保つこともできます。

また、ちぢみを極力少なくして生地に優しい洗濯をするためには、やはり手洗いをおすすめします。

やり方は下のように簡単!ほとんど洋服の手洗いと変わりなく、手際よくササっと行うことがポイントです。

①畳んだ状態で水で洗う・・・型崩れを防ぐため
②洗剤は少なめ・・・色落ちを防ぎすすぎやすくするため
③2~3回優しく押し洗い(30秒~1分程度)・・・ちぢみを防ぐため
④泡がなくなるまですすぐ・・・洗剤の残りがシミにならないため
⑤かるく絞る・・・型崩れを防ぐため
⑥着物ハンガーで形を整えながら干す・・・型崩れを防ぐため
⑦日陰で裏面で干す事・・・色落ちを防ぐため

 
 
パリッとした感覚を残したければ、下のような洗剤用のりをすすぎの後に使います。

使い方は簡単で、150gを4倍量にうすめて水に溶きその中に着物をひたして終わりです。

 
半乾きの状態でしっかり形を整える程度の質感が好きなので、私は使ったことがありません(;^_^A
 
 
小千谷縮の場合はがシボがあるのでアイロンはかけないのが普通ですが、形を整えたのに取りきれなかったシワがどうしても残ります。

そんな時は霧吹きで湿らせ再度形を整えるか、アイロンをかけます。

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シワ加減も自分の感覚なのでお好みの方法をとってください。

以上が小千谷縮の洗濯の仕方でした。

小千谷縮は、普段着や浴衣というカジュアル感覚の着物なので、よほどのシミが付いてしまった意外に悉皆屋に出しません。

しかし、いくら手洗いだとは言え必ずちぢみます。

元々のサイズがギリギリの寸法でちぢみは困る場合や、高価な小千谷縮は悉皆屋でお願いします。

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その辺りの感覚も自分次第ですね。

小千谷縮の魅力がだいぶ分かってきたら、どんな反物があるのか見てみたいですよね。

小千谷縮でおすすめの反物は?

比較的低価格の小千谷縮は、色々な色柄にチャレンジしやすいもの♪
 
 
年々暑さが厳しくなる日本の気候なので、早くて5月くらいから長襦袢に合わせて着物として着ても大丈夫です。

盛夏より少し早めに準備ができるように、私が個人的に素敵だな!と思う反物を下の5反選んでみましたので紹介します。
 
 

①青と水色の清涼感ある小千谷縮
②無地感覚の淡いクリーム系の小千谷縮
③大人かっこいい灰色の小千谷縮
④透明感のある淡い紫が華やかな小千谷縮
⑤着やせ効果の縦縞(たてじま)小千谷縮

 

①青と水色の清涼感ある小千谷縮

白の地に青と水色を濃淡を、横段のグラデーションのように織り出した爽やかでお洒落な小千谷縮です。

夏と言ったらやはりブルー系が涼し気で、周りからも褒めらる定番カラーです。

 
 

②無地感覚の淡いクリーム系の小千谷縮

よく見ると格子のような柄の入った反物は、無地感覚で帯次第で幾通りのコーディネートが楽しめる便利な一枚です。

ワンカラーの麻の着物に、夏をイメージできる柄の帯は初心者にも合わせやすいコーディネートです。


 
 

③大人かっこいい灰色の小千谷縮

薄物の生地の着物から、白の長襦袢が透けて見えるコーディネートは「大人の女性」を連想させる夏におすすめの着こなしです。

強くなりすぎない程よい色加減のこの反物に、おしゃれな自然布の帯を合わせたらだれもがマネしてくなる着物通の装いです。


 
 

④透明感のある淡い紫が華やかな小千谷縮

着る人の個性やセンスが楽しめる、おしゃれに敏感な女性におすすめな小千谷縮です。

やさいい藤色と黄色の横段が、かわいらしく乙女な気分にしてくれる一枚です。


 
 
 
 

⑤着やせ効果の縦縞(たてじま)小千谷縮

現代的なカラーの縦縞は、ワンピースような感覚で着る人の身体のラインをきれいに見せてくれる万能柄です。

仕立ての仕方➡https://kimonosin.com/kimono-garaawase-ko-to/で、全く違う印象になるので、どんな柄行にするのかも自分の好みによって決めれるのも面白い反物です。


 
 
以上が、猛暑が続く夏の着物としておすすめしたい小千谷縮の紹介でした。

国の重要無形文化財指定の反物は、めったにお目にかかることができないのですが、市場には比較的リーズナブルな価格の反物なら沢山あります。

まずは、手に入れやすい小千谷縮から楽しんでみるのもいいですね。
 
 
最後に、そもそも小千谷縮とはどんな織物なのかを紹介したいと思います。

小千谷縮とはどんな着物?

小千谷縮とは新潟県小千谷市周辺で作られる麻織物で、苧麻(ちょま)に撚り(より)をかけて作られるる縮(ちぢみ)のことです。
 
 

苧麻とは山野に自生する、イラクサ科の多年生植物で「からむし」とも言われ、茎の靭皮部分から採取した繊維のこと。

現在では福島県昭和村で苧麻栽培から青苧(あおそ)作りが行われ、糸績み(いとうみ)は魚沼地方で行われています。

 
 
小千谷縮の生産地である新潟県(越後)では、かなり昔から越後麻布という上質な麻布が織られていました。

昔は、山に自生する『山苧(やまそ)』で作られていましたが、越後麻布が有名になるにつれて、麻を畑で栽培するようになり、これを『青苧』と名付けたと言います。
 

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越後は多雨で湿度が高く風の弱い土地のため、上質な青苧を栽培するのにもってこいだったのですね。

 
現代は夏の素材のイメージが強い麻ですが、昔は丈夫な布として越後の雪深い地方でも一年を通して衣類に使われていました。

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寒い時期は重ね着をしたり、麻布に刺し子をしたりと色々工夫をしていたようです。

そんな麻布をアレンジして生まれたのが「小千谷縮」です。
 
雪深い越後で生まれた織物が、どのように高級な夏の織物として発展していったのか紹介します。

小千谷縮の歴史

小千谷縮は江戸時代の中期に、播州明石の浪人、堀次郎将俊(通称・明石次郎)という人が小千谷に移り住み、白い麻布を縮ませることに成功したのが始まりとされています。

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縮は、緯糸に強い撚りをかけて糊で固定し、それを織り上げてからぬるま湯で手もみすると、糊が落ち撚りが戻るのことで作られます。


 
縮によってできた生地の凸凹のおかげで、従来の麻織物に比べ断然涼しくなっため、縮は諸大名の御用達の麻布となりました。
 
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当時は、贅沢品として奢侈禁止令の対象になるほど発展したそうです。


 
 
こうして、夏の高級織物として瞬く間に全国に広がっていったのですね。

そんな縮の技法を村人に教えた堀次郎の功績を称えるために、小千谷には彼を祀る御堂『明石堂』があります。
 
明石堂
 
この中には堀次郎将俊が家族と縮布を制作している絵が飾られ、当時の様子もうかがえますね。
堀次郎の絵
 
 
また、明石堂のそばに小さな池があり、ここで堀次郎の妻「お満」が夫を助けて布を晒していたので「お満ヶ池」と名付けられています。
お満ヶ池
 

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着物好きなら、小千谷に行った際は是非見に行きたい場所ですね。


 
 
小千谷縮のこのような歴史をたどると、益々興味がわいてきたのではないでしょうか?

最近は、厚手で透け感が少ないものも作られていて、使用期間が長く着ることもでき、麻着物の需要も広がっています。

独特のシボによってシャリ感のある爽やかな感触は、一度着たら手放せなくなるほど夏にはおすすめの織物です。

是非、あなたの夏の着物として候補の一枚にしてみてはいかがですか♪